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―市場の壁を打ち破れ― 2024国際航空宇宙展(JA2024)へ出展 航空機産業への参入支援事業

印刷用ページを表示する 更新日:2024年8月15日更新

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航空機部品のサプライヤーが世界的に不足する中、日本や東京の中小企業にとって航空機産業への絶好の参入機会が続いています。

都産技研では「2024国際航空宇宙展」に出展し、都産技研が実施する航空機産業参入支援と東京の航空機産業クラスター「TMAN」※1について詳しく展示を行います。航空機部品のサプライヤーをお探しの方、航空機産業に興味をお持ちの企業の方、ぜひ都産技研ブースまで足をお運びください。

機械技術グループ TEL. 03-5530-2570

※1 TMAN(ティーマン): Tokyo Metropolitan Aviation Networkの略称で、東京エリアの中小企業を中心に構成されたネットワーク。企業間連携により多工程発注(一貫生産型発注)要請に応えられる企業集団を目指しています。

(外部リンク)

航空機産業参入への壁とコロナ禍後

コロナ禍で航空旅客量が激減し一時期は危機に瀕した航空機産業ですが、現状では成長産業として今後の大きな伸びが予測されている状態にあります。新造航空機の需要が世界中で伸びることはもちろんですが、長期間使用される民間航空機での現存機の改修や、整備部品の供給は長期に続くものであるため、今後はさらに多くの部品が必要とされ、需要が落ちることはありません。さらに今は、コロナ禍で海外の数多くの部品サプライヤーが閉業となってしまい、世界的に部品供給が不足した状態にあります。そのため、機体やエンジンメーカーなどの海外の部品ユーザーは、部品不足の解消と新たなサプライチェーンの構築へ向けて、日本企業からの部品調達を視野に入れ、活動が活発になっているのです。

 

海外市場へ参入するためには

現在、米国ボーイングや欧州エアバスといった海外の企業群が世界の航空機産業を席巻し、民間航空機にかかわる制度や個々の部品規格についても、米国と欧州が中心となった取り決めがなされています。JIS規格が中心で米国や欧州の規格に馴染みのない日本の製造業にとって、航空機産業への参入ハードルは高くなってしまっています。ASTM、AMS規格など海外規格に準拠した材料を用意し、インチ表記の図面から加工を行い、さらに米国航空機メーカーの指定スペックでテストし納入する、更に低コストで短納期が求められるなど、参入への壁はビジネス面だけでなく技術面でも高いものになっており、その厚い壁を破って参入を目指す中小企業へ向けた手厚い支援が必要とされているのが現状です。また日本企業に求められる製品は、海外で対応できなかった高い技術力が求められるものも多く、OEM製品の場合には発注される数が大量となる場合があるため、生産力が限られている中小企業単独では受注が難しいという問題も抱えています。成長産業とされる航空機産業とはいえ、図1のイラストのように国内中小企業の新規参入には乗り越えなければいけない障壁がたくさん存在します。次段では、これらの課題をクリアするために都産技研が実施する支援のうち代表的なものをご紹介します。

図1 航空機産業へ中小企業が参入するための障壁とは の図
図1 航空機産業へ中小企業が参入するための障壁とは​

都産技研の航空機産業支援

都産技研では大きく3つの項目で中小企業の航空機産業への参入を支援しています。東京都で推進する航空機産業支援事業(TMAN事業)と連携したTMAN参加企業への支援の他、TMANへの参加に関係なく全国どこからでも利用頂ける試験メニューや無料セミナーの開催など、広い範囲での航空機産業支援に努めています。

 

テーマ設定型共同研究(TMAN参加企業対象)

東京の航空機産業クラスター「TMAN」への参加企業とともに、効率的な航空機部品の製造方法や、今後の航空機産業で必要とされるであろう技術の開発など、参入にかかわる幅広い技術テーマについて共同研究を行っています。

図2はアルミニウム合金製方形菅を使用した航空機の部品です。左が共同研究前に行った曲げ加工の例、右が共同研究で開発した曲げ加工を適用した例です。共同研究によってこれまでできなかった加工が可能となり、曲げることが困難だった方形菅をきれいに曲げることができるようになった例になります。

これらの共同研究の成果は毎年3月頃に開催する研究成果報告会においてTMAN企業間で情報共有されています。

図2 共同研究成果の例の写真
図2 共同研究成果の例。これまでできなかった曲げ加工が可能になっている​

試作・実証実験支援(TMAN参加企業対象)

一般的な民間航空機には一機当たり500万~600万個の部品が使われると言われていますが、そこまで種類が多いだけに多種多様な部品の製造要求が存在します。部品の製造と納入について海外メーカーから打診があった場合、企業は試作品を少数作製して納入し、製造能力を示して受注へ向けたPRをしたり、試作した部品の性能テストを行って結果を提出し管理能力を示したりなど、正式な受注までに様々な試作や実証実験は必要とされる場合があります。さらに、これらには米国や欧州規格あるいは海外メーカーの独自規格への対応などが必要とされる場合が多く、英語での規格の解釈は中小企業クラスターには負担となります。

都産技研では試作における図面の解釈から試作用材料の調達、また、加工や性能テストの実施方法等、困難な対応を求められる試作の支援や実証など、TMANクラスターでの一貫生産と直接受注へ向けた技術支援を実施しています。中小企業が得意とする少ロット品が多いPMA(Parts Manufacturer Approval)ホルダー(海外部品メーカー)を中心に、ロットの大きいOEM製品も含め、必要な状況に合わせた情報や環境の提供も行っています。

航空機規格試験(全企業対象)

航空機部品の試験のほとんどは、国内のJIS規格ではなく米国のASTM規格やFAR規格等での試験が必要となります。現在の航空機業界で認められている規格は基本的に米国の規格で、欧州の規格とは互認されているため米国と欧州間で障害はありませんが、日本のJIS規格との互認は進んでいないため、海外を飛ぶ飛行機に搭載するためには米国などの海外規格での試験が必要となってしまっている、ということになります。

都産技研は一部のASTM規格硬さ試験と、燃焼試験FAR25.853についてJISQ9100によりマネジメントし、英文を併記した報告書の発行が可能となっています。翻訳を挟まず直接海外機関へ提出することが可能となっており、英文での報告が必要な企業様からは好評を頂いています。

図3 FAR25.853燃焼試験での報告書サンプルの写真
図3 FAR25.853燃焼試験での報告書サンプル

 

東京の航空機クラスター育成のために

このほかにも都産技研では「セミナーの開催」「研究会活動」「ワークショップ」など、さまざまな活動を行いTMANに参加する中小企業を中心に航空機産業への参入を支援し、航空機クラスターとしての一貫生産、複数企業での新規受注へ向けた活動を続けています。

航空機産業は、現状からの参入には課題が様々存在しますが、水素航空機や空飛ぶクルマなども含めて将来的な発展性を持つ魅力的な産業です。将来を見据えて航空機産業への参入を希望する中小企業の皆様、都産技研の技術や経験を活用頂くとともに、TMANへの参加もご検討頂ければと思います。


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