不均質評価装置
実証試験技術グループ 佐々木 正史
産業界の温度測定で最も多く使用されているのは熱電対であり、温度センサーの中でも構造が比較的簡易で、扱いやすいことから広く普及しています。
熱電対を取り扱う上で注意しなくてはならない点として、動作原理の一つとなっている熱電対材料(素線)の組成が全域に渡って均質であることが挙げられます。
さまざまな場面で便利に取り扱えるメリットがある一方で、曲げての使用や、長時間高い温度に曝されるなどすることで、組成の一部が変質することがあります。この均質性が失われた状態を“熱電対の不均質”と呼び、現場での温度測定値エラーとなり問題となっています。
熱電対の不均質が起こる原因 (機械的ひずみ)
熱電対の不均質が起こる原因 (高温曝露)
産業現場で使用される熱電対は、温度勾配の違う装置への使いまわしや、機械的ひずみなどによって不均質による測定値エラーが起こりがちです。これは、使用時間や使用温度によらないため、熱電対自体の不良・欠陥や測定系を疑うことがありトラブルを招きます。
そこで、熱電対の故障・事故解析への対応を実現するため、不均質測定と評価の実現を目的としました。本装置および評価方法により、ほどんど事例のなかった産業用として使用する熱電対の不均質評価(不均質の検出と位置の特定)が可能となりました。
シースK熱電対の不均質検出例
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